先日長い付き合いのピノイの一人からIM上であるお願いが。
なんだと思ったら、友人(同じくピノイ)が日本にある日本企業への就職を希望していて、それに必要な書類がいくつかあるのだけど、それを日本語に翻訳してもらえないか、翻訳の料金は払うと言っているという。
比人に限らないがチャットで世界各国の学生連中が日本あるいは日本語についての(学校の)宿題あるいはレポートで助けてくれとかいう話、あるいは日本のアニメとか漫画のいわゆるサブ(よーするに字幕)の翻訳を助けてほしいとかいう話は十数年してきたチャットで耳タコどころの騒ぎではないのでもう相手にはしないが、知り合いは30過ぎだしおそらくトモダチのピノイというのもそんな年ごろなんだろう。タダでお願いとは言わないところはさすがにガキとは違う。
しかし料金は払いますと言われても、数ページから10数ページ(程度だろうと思う)の翻訳を比国現地価格で、しかも個人から請け負っても仕事にはならない。だもんで、いいよ前にも比人のBCその他何度もこっちの役所に出すのに翻訳したことがあるからタダでやったげるよ、と。
いや、払います、払わせますと彼はまだ言うので、だったら君がそのトモダチに俺を紹介してやったってことで、昼飯でもなんでも彼に奢らせればいい、と。
しかし?と思った。全部ではないだろうけど多くの日本企業が外国人を雇用する場合、その外国人被雇用者にある一定の日本語能力はやはり求めるだろう。履歴書とか職務経歴書その他程度日本語に自分で訳せないでそいつは大丈夫なのか?
友人のピノイ君はITエンジニアなので、おそらくその彼のトモダチというのも同じか似たような仕事をしているんだろう。そう言えば以前、全然なんの手助けもしたことはないが、やはりマニラのピノイ君で日本行きをずっと希望していて、マニラ現地で勤務する社(日系企業らしい)の日本語検定に散々落ちたあげく(笑)、やっとこさそれをパスしてしばらく日本に来ていたのがいた。彼はもうマニラに戻っているが、マニラではけっこう女の子にモテていた彼が日本ではさっぱり女の子たちに相手にされないことがショックだったとか。(笑) 彼(独身)は甘いマスクでガタイも悪くなく身長も175cmぐらいあるので、興味を持ったり付き合うハポネサがいても不思議ではなかったのにねえ、とは思うのだが。
まあ比国に限らないが、ブサイクでもなくぢぢいでもなく悪くない仕事を持ち金もそこそこ持っていれば、持てないほうが不思議ってもんだ。それだけに彼は寂しい日本勤務を終えて帰国した。
知り合いの別な比人エンジニアたちでかつて日本にいたある女の子は、日本の某大手企業で働いていたが今は米国に留学中。ブログではホームシック、かつ日本にいた間付き合っていたピノイの彼氏(てか同棲していた)とも結局別れることになってやっぱり寂しいらしい。かたやその元彼ピノイ君は彼女が米国に発ったあともしばらく日本である分野の開発をしていたが、今はその彼も日本ではない別な国に行ってしまった。ちなみにこちらの二人はUP卒で、自分の将来のためのキャリアアップは常に考えていた。だからこそそうした彼らの今がある。
むかーし比人比国と関わりができ始めたころ、読みあさった比国比人関係の書籍(その何冊もが今や絶版だというのは、つまりは日本には比国比人について興味関心がある人間が少ないあるいは減っているということか)の一冊には、
フィリピン人は貧乏だとか金持ちだとか、ゲイだとか、障害者だとかについて、妬みもやっかみも差別もバカにもしない
と書いてあった。
おお、なんて素晴らしい、聖人のようなヒトたち? とそれを読んで思った自分だったが、実際はそんなわけないことが後に判る。てことで、
この記事が目についた。
PNoy(President Noynoy = ノイノイ・アキノ現比国大統領、ピノイと引っ掛けてあり、彼のことをこう略すことが多い)が、これまで所有していたBMWに代えてポルシェを買ったのだが、それについてやんややんや言う連中が増えだした。比国現地のメディアももちろんそれを伝え、それを知った連中がけしからん、と言い出したわけだ。
は? 彼は比国でも上から数えたほうがはやい金持ち一族のセガレであって、当然彼も金持ちだしBMWだのポルシェを買えるだけの富裕層の一員である。やんややんや言っている連中は、現大統領は腐敗しているという。金を持っている人間がそれなりの高価なものをもったり買ったりすることがなぜいけないのだろうか。金持ちであることが罪だとでもいうのか。そのうちなんか現地の法律で、政府職員とその家族は質素な生活をすべしとかいう条文を持ち出し、PNoyはそれに違反している、違法とか言いだす奴まで登場。
彼が無能か有能かは議論や意見がわかれるところだろうけど、良く言われているように彼の金持ち一族のアホボンボン的言動が目につくのは確かだし、大統領就任以来(国家か国民にとって良しと思われることは)特に何もしていないのも事実だ。しかしそれと彼が腐敗しているかどうかはまた別な話なのだが。
彼を批判あるいは攻撃している比人たちをよくみると、貧困層でない連中がほとんどであることがわかる。貧困層(かの国ではこれは国民の大半、と同義でもある)の連中はそもそもノンポリばかりで、政治に興味関心を示すようなことがあってもそれは政治家のゴシップだったりがトリガーとなってということがほとんどだし、もちろんそのきっかけをつくるのは日本と同じく阿呆メディアだったりすることが多い。
別に自分はノイノイの支持者でもなんでもないけれど、そうした貧困層ではない中間層、そこそこの収入を持ってそこそこ(か、それ以上)の生活を送っている連中からのみ(ほとんど、ではあるが)、彼がポルシェを買ったとかいうことに敏感に反応しているわけで、つまりは妬みやっかみなわけだ。本当の貧乏人、貧困層の連中にとってはそもそも雲の上の話であって、ポルシェやBMWと聞いても実感が湧かないというのが実際なのではないか。
また、批判的な連中の多くは学卒と思われるし、上でも「UP卒の二人」とか書きはしたけれども、最終学歴と人間的にバカか利口なのかはまた別である。さらには言っちゃなんだが比国最高学府とされるUPでさえ、世界大学ランキングでは日本の私学の早慶以下のレベルであり、現地のサントなんちゃらその他私学及び公立大学の(学力という点だけでも)レベルは推して知るべし、である。
国を憂うと称する軍の青年将校連中がときどき起こすクーデター騒ぎもかの国では常に中途半端であり、本当に現政権やごくごく一部の権力層を倒して国と国民を救う、なんてことを考えている奴がそうした青年将校たちの中にいるのかどうかもはなはだ疑問。あの国で無血革命なんて不可能に近い。権力者たちの多くは金で買った物理的軍事的パワーを持って自らを守るし、ときには自分の敵をそれらをもって攻撃する。
妬みもやっかみも差別もバカにもしない比国人? やっぱり彼らは本当はもっともっと人間臭いのだった。幸か不幸か。